来日~アイドルを目指して

 さて、繰り返しになってしまうが、ナターリアはアイドルになるために、日本の裏側、ブラジルから1人でやってきた。改めてその理由について振り返ってみよう。

 これらの画像は、アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ(以下「デレステ」)のメモリアルコミュ1での一幕だ。

 ブラジルで見た日本の歌番組やバラエティを見て、アイドルに憧れて……という理由だ。

 もう1つの参考資料として挙げられるのは、モバゲー版アイドルマスターシンデレラガールズ(以下「デレマス」)のぷちデレラエピソードだ。

 あくまでデレマス、デレステ、そしてアニメ版アイドルマスターシンデレラガールズ(以下「デレアニ」)は世界観が異なる(そもそもデレマスでは自分がプロダクションの社長とかになれたり、346プロという概念がない。)と公式からもアナウンスがあったが、それぞれのアイドルのバックボーンに関する設定については、世界観を隔てても大きく異なることは少ない。それでは前置きが長くなったが、改めてエピソードを見てみよう。

 まず、デレステとデレマスの共通点としては、以下の2点がある。

 ・テレビで日本のアイドルのことを見ていた。

 ・日本のアイドルはお人形さんみたいだった。

 では、このぷちエピソード独自の情報は何か、それは次のとおりである。

 ・テレビで応援していたアイドルは、ナターリアと同じくらいの歳

 ・そのアイドルは今も活躍していると思う。

 さて、ここまでの情報で謎となっているのは、そのアイドルは「誰」なのかということだ。あくまで推測だが、デレマスに登場するアイドルは、デビュー時期はほぼ同じと考えられる。追加エリアで登場したり、サービス開始後ガチャで追加されたアイドルについては、さらにデビューがあとになっているとも考えられる。そうなると、ナターリアがテレビで見たアイドルは、デレマスに登場するアイドルの大部分は可能性から外れるだろう。

 全員としなかったのは、デレマスに登場するアイドルに、過去に芸能界にいたことが言及されている者がいるからである。例えば、岡崎泰葉はアイドルではないが、子役として芸能界で活動していた。ほかにも、服部瞳子についても、一度アイドルとして活動した経歴があるとも語られている。

 ただ、岡崎泰葉は年齢はナターリアに近いものの、アイドルではなく、服部瞳子はアイドルではあったが年齢がナターリアの話と合致しない。なので、結論としては、ナターリアがテレビで見て憧れたアイドルは、デレマスに登場するアイドルではないと考えるべきだろう。

 それでは、そのアイドルは結局誰なのか?ここで注目すべきは765プロのアイドルだ。デレマスにも、765プロ所属のアイドルが登場する。気になる彼女たちの活動時期だが、劇場版アニメアイドルマスターのエンディングの演出に、765プロのアイドルが活躍するイベントの映像を見上げる渋谷凛という構図があることを考えると、渋谷凛をはじめデレマスのアイドルがデビューする前から765プロのアイドルは相応の基盤を築いていたと見るのが自然である。

 さて、765プロのアイドルでナターリア(14歳)と同じくらいの年齢というと、

 ・双海真美、双海亜美(13歳)

 ・高槻やよい(14歳)

 ・水瀬伊織、星井美希(15歳)

 このあたりがピックアップできるだろうか。お人形さんみたい、という言葉で絞り込みができるかと考えたが、正直どのアイドルもお人形みたいとも取れるので、これ以上の絞り込みは難しい。もし、今後765プロのアイドルと絡むイベントがあれば、その辺りが明らかになるのかもしれない。

ナターリアの成長物語~日本にやってくるまで

 これから語ることは、デレマス、デレステその他でまったく語られていないが、ナターリアというパーソナルを考える上では必要不可欠なものだろう。それはずばり、ナターリアが日本のアイドルに憧れてから、日本に来るまでの間に何をしたのか、ということだ。

 デレステのメモリアルコミュ1の時点で、おそらくナターリアは来日直後と見るべきだろう。その時点である程度のコミュニケーションが取れるレベルでナターリアは日本語を習得している(ぶつかった相手に「どこに目つけてやがるんだ」などの一部おかしな言葉づかいもあるが)。ではどうやって日本語を習ったのか、という疑問が生じる。可能性と大きそうなのは、次に挙げる2つだろうか。

 ・ブラジルは日系人、日本人のコミュニティが多いため、そこで習った。

 ・テレビで流れる日本語をヒアリングすることで学習した。

 日本語を学ぶ環境は整っていたとしよう。しかし、コミュニケーションが可能になるレベルで日本語を覚えるには相当の苦労があったはずだ。しかも、その理由はアイドルになりたいというただそれだけのもの。日本でアイドルになりたいという多大なモチベーションなくして不可能だったろう。デレマス、デレアニに登場するアイドルは、養成所に通うなり、オーディションに出たりした結果アイドルになれた者も多い。だが、ナターリアについては、さらに大きな言語の壁を乗り越えてアイドルになったのだ。

 ナターリアには、デレマスやデレステのゲーム内を通じては、分かり易いドラマティックな成長物語というものは存在しない。なぜならゲームに登場した時点で、一番苦労した、一番成長した物語が終了してしまっているのだ。他の成長として描かれているのは、演技が苦手なのを克服して幻想公演の主役を努めた。トークが苦手なのを克服してトークバトルショーに出演した。という程度で、言語の壁を超えるためのプロセスに比べたら成長物語としては霞んでしまう。なので、もしナターリアの成長物語を求めるのならば、ゲームに登場する前、アイドルを志した頃まで思いを馳せてもらえると幸いである。